［36］第４部　NPO法人制度の誕生①

渋谷幸夫

【連載】公益法人制度の変遷と課題会計処理法人運営

2022年03月07日

2022年３月15日号（No.1046）

渋谷幸夫
（しぶや・ゆきお　全国公益法人協会特別顧問）

Ⅰ　はじめに

　特定非営利活動促進法（以下「NPO法」という。）が1998（平成10）年12月1日に施行されて、既に20年を超えることととなった。NPO法は、ボランティア活動を始めとする社会貢献活動を行う非営利団体に対し、法人格を付与すること等を通じてその活動を促進することを目的として制定された。市民生活において不可欠な存在として、これまでその果してきた役割は非常に大きいものがある。
　福祉、まちづくり、環境保護、国際交流など、営利を目的としない非営利団体（NPO）が法人格を取得する制度としては、NPO法制定前から、民法上の公益法人制度や特別法上の法人制度（例えば、学校法人、社会福祉法人等）があった。
　しかし、特別法上の法人制度は設立のための要件が厳しく、また、民法上の

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