感染症流行時に求められる労務対応

家村啓三
(いえむら・けいぞう 特定社会保険労務士・MBA)

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目  次
 

Ⅰ はじめに

 新型コロナが5類に移行した今も、感染症への備えを要し、使用者には感染症の分類ごとに適切な対応が求められています。現在は季節性インフルエンザや新型コロナで労働者が休む場合は、通常の欠勤対応となり、治癒証明書等の提出を求めない配慮が必要となります。都道府県知事による就業制限に基づく休業の場合は、休業手当の支払義務はありませんが、発熱した者を一律に休業させる等の対応をとった場合、休業手当を支払わなければなりません。
 今後の感染症対策としては、職場の衛生委員会を活用したり、病気休暇制度を設置したりすることが検討されるでしょう。また、テレワーク等柔軟な働き方も求められています。
 コロナ禍からの日常に戻った今だからこそ、もう一度あの頃を振り返るとともに、次の季節に備えるという観点から解説します。 

Ⅱ 社会と労働に与える感染症の影響

1 感染症の現状

 人類には、古くから痘瘡とうそう(天然痘)、ペスト、スペイン風邪等、感染症と長く戦ってきた歴史があります。
 我が国の感染症に対する政策は、1897年の「伝染病予防法」の制定以降約100年近くの間、集団としての感染症のまん延防止に重点を置いた枠組みの下で行われてきました。エイズや高病原性鳥インフルエンザ等感染症を取り巻く世界的な状況に鑑み、伝染病予防法に代わる新たな感染症対策の基本法として、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(以下「感染症法」という。)が制定されました(1999年4月施行)。その後、感染症法は数度にわたる改正を経て、感染症法の対象となる感染症の分類と考え方は次表のようになりました【図表1】。
 感染症は、人や物の移動が高

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