Vol. 13 財務諸表における「金融商品に関する会計基準」の注記について
※ これまでの内閣府メールマガジンの内容を再構成したものとなります。
1 金融商品に関する会計基準
金融商品に関する企業会計基準である「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号平成 11年 1 月22日企業会計審議会 最終改正令和元年 7 月 4 日企業会計基準委員会、以下、「金融商品会計基準」という。)は、公益法人にも適用されます。(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行規則(平成19年 4 月20日法務省令第28号) 第21条参照) この金融商品会計基準では、注記事項として①金融商品の状況に関する事項及び②金融商品の時価等に関する事項を定めています。この内、金融商品の状況に関する事項では、定性的情報として金融商品の内容とそのリスク、リスク管理体制などを記載します。また、金融商品の時価等に関する事項では、金融商品の時価の算定方法に関する説明を記載します。
2 金融商品の状況に関する事項
公益法人の中には金融商品による運用益などを財源としている法人も多く、金融商品の運用次第では法人運営に相当のリスクをもたらすおそれが あることから、金融商品の状況に関する情報を開示することは、公益目的事業の安定的な持続可能性に影響を与えるほどの資産運用リスクをとらないよう、法人の内部統制の確立を図る効果を及ぼすことが期待されるとともに、寄付者に対して法人の受託責任を果たす上でも、意義が大きいものと考えられます。
具体的な注記例については、「公益法人制度等に関するよくある質問(FAQ)」問Ⅵ-4-③を参照 してください。
3 金融商品の時価等に関する事項
公益法人の性格等を踏まえ、満期保有目的の債券については、時価を注記するとともに、満期保有目的の債券並びに子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券については時価をもって貸借対照表価額とすることとされています(子会社株式及び関連会社株式については取得価額とされています。)。
満期保有目的の債券は、満期まで保有すること等を要件として会計処理上で時価評価を要さないものとされています。しかし、満期保有目的の債券の時価は公益法人の資産運用に大きな影響を与えるものと考えられること等から、会計処理で時価評価を行ったのと同じ情報を注記として開示することとされています(公益法人会計基準の第 5 財務諸表の注記⑽)。
具体的な注記例については、「公益法人会計基準」の運用指針13.様式について⑷財務諸表に対する注記10.満期保有目的の債券の内訳並びに帳簿価額、時価及び評価損益を参照してください。
※ 公益法人制度等に関するよくある質問(FAQ) は、以下からご覧になれます。
https://www.koeki-info.go.jp/faq.html
文責●内閣府公益認定等委員会事務局
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