財務諸表のミカタ
―理事会・評議員会・総会に活かす読み方―

永島徳大
(ながしま・とくひろ 公認会計士・税理士 本誌編集委員)
 

Ⅰ 財務諸表を味方に!

財務諸表や会計は、公益法人のガバナンス・透明性の確保において重要な要素です。
第一に、資源提供者や利害関係者に対して、法人の財政状態や活動成果を透明かつ正確に伝えること。これにより、提供された資源が適切に活用されていることを確認し、信頼関係を構築します。第二に、内部管理や意思決定の基盤としての役割です。経営陣が効果的な戦略を策定・実行するための重要な判断材料となります。最後に、法令遵守と社会的責任の履行です。公益法人は特性上、不特定多数かつ多数の者の利益に資する活動を行う義務があり、財務報告を通じてその責任を果たすことが求められます。このように、法人の健全な運営と社会的信用の根幹を担っています。
 
今回、財務報告をする際の前提となる基礎を押さえながら、理事会等での財務報告の基本的な話から解説します。 

Ⅱ 公益法人における財務報告の目的とは?

1 財務諸表の前提

今回、令和6年12月20日に新公益法人会計基準が策定されました。その会計基準冒頭では、①資源提供者等のステークホルダーからの視点、②法人からの視点の両面から記載されています。財務諸表は法人の事業活動について、円貨を尺度として可視化することができます。
事業活動が数値化されることで、様々なステークホルダーからの理解を促し、透明性を図ることができます。このような透明性が確保されることによって、資源提供者等のステークホルダーは安心してその法人に対して資源を提供することができます。 

2 公益法人の特性を理解する

公益法人を理解するためには、まず基本的な特性を押さえておくことが重要です。
公益法人は、公共の利益に資

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