【景気短評】地域経済指標からみた東北復興
2021年03月10日
山澤成康
(やまさわ・なりやす 跡見学園女子大学教授)
(やまさわ・なりやす 跡見学園女子大学教授)
2015年3月で東日本大震災が起こってから4年が経った。東日本大震災後の被災地の景気動向はどうなっているのだろうか。
経済学では、災害が経済に与える影響を短期と長期に分けて考える。短期的には、災害で多くの生産設備が使用不能になることや、就業人口が減ることから、生産量が大きく減る。その後、破壊された住宅や工場に対する復興需要が生じる。この需要を満たすために、建設業中心に需要が増える。
長期的な影響については、コンセンサスがない。大きな生産設備の破壊は長期的に生産を停滞させるという見方がある一方で、シュンペーターのいわゆる「創造的破壊」のメカニズムが働くという考え方もある。生産性のより高い設備が整備されることで、生産量がむしろ増えるという考え方である。
では、東北の現状
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