裁決・判決に学ぶ租税実務[16]公益法人に対する課税の考え方と業種の判定
2021年03月10日
永島公孝
(ながしま・きみたか 税理士)
(ながしま・きみたか 税理士)
はじめに
前回は法人税における「収益事業」の業種の原点となる営業税について概観してきました。もう一度営業税からの歴史をおさらいし、整理してみます。まず、江戸時代に営業税に相当する税として運上(うんじょう)・冥加(みょうが)という制度がありました。
この制度は江戸時代に老中の田沼意次が積極政策を進めたこともあり、重要な税目に定着しました。租税政策としての運上・冥加により課税された商工業者の「業種」の登場もここからです。
そして、運上・冥加の税制度(雑税)は、明治時代へと引き継がれましたが、明治8年に雑税は廃止し整理され、国税と地方税の区分が明文化されました。明治時代から昭和初期にかけては、その時代に即した業種が営業税の課税対象として引き継がれ、地
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