【景気短評】ビッグデータの景気予測への応用

山澤成康
(跡見学園女子大学教授)

 インターネットやコンピューターの発達で、ビッグデータを景気予測に活用する動きが強まっている。ビッグデータとは、コンピューターの記憶容量の増加で蓄積できるようになった種々の巨大なデータのことである。
 実用化の代表例は、日経・東大日次物価指数である。スーパーの販売時点情報管理(POS)システムを利用して、さまざまな商品の価格データを瞬時に処理して物価指数を推計するというものだ。総務省が発表する消費者物価指数よりも1ヵ月以上早く物価動向を把握できる。同日次指数は、最近上昇傾向を示しており、物価動向を公式統計よりも早く知ることができる。
 ポータルサイトの検索件数に関する研究も増えている。「グーグルトレンド」というサービスでは、任意の言葉がどの程度検索されているかを無料で調べることが
                           

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