【景気短評】高利益率と設備投資

門多 治
(慶應義塾大学理工学部非常勤講師)

 9月調査の日銀短観では大企業製造業の景況感が3期ぶりに悪化し、先行きも小幅悪化が見込まれるなど景気は調整気味の様相を呈している。その一方で今年度の設備投資計画は上方修正される動きもみられる。今回は設備投資と、利益率関連指標の動きについてみてみよう。
 今回の短観では、売上高経常利益率が、大企業で製造業・非製造業共に史上最高水準を更新した。円ドルレートの想定が1ドル117円強と前年度比9円以上の円安にシフトし、輸出依存度の高い製造業大企業の利益を押し上げたことも効いており、15年度予想では利益率はそれぞれ7.6%、4.9%と、史上最高を更新した14年度よりさらに上昇が見込まれている。一方、中小企業では、製造業は14年度を小幅に上回り(3.9%)、非製造業はほぼ横ばい(3.1%)ながら、
                           

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