【景気短評】2016年の景気動向

門多 治
(慶応義塾大学非常勤講師)

 新年を迎えて2016年の景気の先行きを見通してみよう。12月初旬には中国経済不安が薄まり日経平均株価も一時2万円台に乗せ、市場にはやや明るいムードが拡がったが、16年の日本経済はどうだろうか。外的条件としては、3つほどポイントがあると思う。
 まず、3年前の13年年初と同様に、翌年4月に消費税率の引上げを控えていることである。その意味では13~14年の動きは参考になろう。
 第二に、海外経済である。米国は超金融緩和からギアチェンジして、少しずつ利上げに向かう。FRBは0.25%幅で2回ほど利上げし、小幅ドル高が進行しようが慎重なスタンスは崩れず、新興国経済への影響は小さいだろう。中国の過剰な投資の見直しの影響は一部業界に大きく出ているが消費が下支えするだろう。
 第三に、
                           

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