裁決・判決に学ぶ租税実務[29]人格のない社団等⑤

永島公孝
(税理士)

はじめに

 前回までは人格のない社団等について、「民事実体法での要件」、「租税法での借用の問題」、「取消しと無効の問題」、「所得税のみなし譲渡課税の問題」、「法人税の収益事業課税の問題」、「贈与税の問題」について検討してきました。今回は、源泉所得税の事例について、深く検討していきたいと思います。

Ⅰ 人格のない社団等の源泉所得税

 人格のない社団等の源泉所得税は、公益法人等の場合とほぼ同じ考え方となります。
●人格のない社団等と所得税法
 所得税法と人格のない社団等との関わりは、第1に、人格のない社団等の受ける所得、すなわち利子あるいは配当等に対する源泉所得税の課税の問題と、第2に、人格のない社団等が支払う給料、賞与、退職金、報酬等に対する所得税の源
                           

この記事は有料会員限定です。

Copy Protected by Tech Tips's CopyProtect Wordpress Blogs.