裁決・判決に学ぶ租税実務[29]人格のない社団等⑤
2020年05月12日
永島公孝
(ながしま・きみたか 税理士)
(ながしま・きみたか 税理士)
はじめに
前回までは人格のない社団等について、「民事実体法での要件」、「租税法での借用の問題」、「取消しと無効の問題」、「所得税のみなし譲渡課税の問題」、「法人税の収益事業課税の問題」、「贈与税の問題」について検討してきました。今回は、源泉所得税の事例について、深く検討していきたいと思います。Ⅰ 人格のない社団等の源泉所得税
人格のない社団等の源泉所得税は、公益法人等の場合とほぼ同じ考え方となります。●人格のない社団等と所得税法
所得税法と人格のない社団等との関わりは、第1に、人格のない社団等の受ける所得、すなわち利子あるいは配当等に対する源泉所得税の課税の問題と、第2に、人格のない社団等が支払う給料、賞与、退職金、報酬等に対する所得税の源
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