裁決・判決に学ぶ租税実務[36]源泉徴収を巡る相続税と所得税の二重課税
2019年08月01日
永島公孝
(ながしま・きみたか 税理士)
(ながしま・きみたか 税理士)
Ⅰ はじめに
これまでに源泉徴収制度について代表的な2つの判決をご紹介してきました。1つめは、源泉徴収の法律関係と納税告知について判断した最高裁昭和45年12月24日第一小法廷判決です。ここでは納税告知を「徴収処分」であって「課税処分」ではないとしていました。またその納税告知の法的効果は「支払者」に限定するとしています。
2つめは、最高裁平成4年2月18日第三小法廷判決です。この裁判は源泉徴収と確定申告の関係について判断したものとなりましたが、この判決では、所得税法120条1項5号にいう「源泉徴収をされた又はされるべき所得税の額」とは「所得税法の源泉徴収の規定(第4編)に基づき正当に徴収をされた又はされるべき
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