【金子教授の身に憑く怪計講座】第9夜  非営利分野の日米会計士今昔

金子良太
(國學院大學経済学部教授)
 非営利組織会計に対する会計専門家の注目が高まってきている。一昔前、監査といえば企業に対する監査だけを意味した。今回はアメリカと日本のそれぞれの会計士事情、また筆者が会計士になった20世紀最後と比べて会計士と非営利組織会計との関わりがどう変わったか、概観したい。

トイレにも行ってられない

 USCPA(米国公認会計士)試験では、財務会計の試験で、非営利組織会計をはじめとする企業以外の会計が出題される。全体の2割程度であるものの、75点が合格ラインとされる試験において非営利組織会計も無視できない。受験テキスト・受験予備校においても政府会計・非営利組織会計は必ず教えられている。
 私が受験した時にも、非営利組織会計が複数出題されたのを覚えている。我が国でもUSCPAを目指す受験生は、
                           

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