【非営利組織のファンドレイジング戦略】第8回 多様な資金源とそれぞれのメリット・デメリット

堀田和宏
(近畿大学名誉教授) 

 これまでは、誰がどのような組織に寄附をする傾向があるのか、政府の諸政策がどのように寄附行動に影響を与えるのか、いわばファンドレイジングを行う組織をめぐる外部情況を中心に観察してきた。いよいよ今回からは、寄附を受け取る側の組織がどのような種類の資金源に依存していて、その種類の多様性がどのように組織の経営に影響するのか、そこで、寄附を含む資金調達のポートフォリオはどうあるべきか、つまりファンドレイジング活動を行う組織の内部情況について議論を進めることになる。
 非営利組織といえども、その資金源はむろん唯一寄附金によるのではない。株式発行による資本調達はできないとしても、むしろ幅広い多様な資金源に依存している。政府資金(補助金・助成金・委託契約金)、自己資金(会費、料金、サービス料金、賃貸
                           

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