【非営利組織のファンドレイジング戦略】第11回 ファンドレイジングの基本戦略―寄附市場の細分化

堀田和宏
(近畿大学名誉教授)

 前回、まず、組織目的と整合するファンドレイジング活動の必要性を指摘し、ついで、寄附は非営利組織が存続するための生命線であり、組織と寄附者の間の何らかの取引である以上は、非営利組織としての正当性とのジレンマを抱えながら、ファンドレイジング戦略は寄附者志向に立つ現代マーケティング理論に従って展開されるべきことを説明した。そして最後に、ファンドレイジング戦略は実践の場においてマネジメントサイクルとして完結するべきであるので、具体的なファンドレイジングの展開には合理的な管理過程に従って実行されるべきことを概説した。
 今回は、まず、ファンドレイジングの3つの基本戦略について概説したのち、主として寄附市場のうちの個人寄附者市場の細分化と、それに伴う寄附戦略の3つの選択肢について説明する。

                           

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