【非営利組織のファンドレイジング戦略】第14回 関係づくりのファンドレイジング戦略(その2)

堀田和宏
(近畿大学名誉教授)

(承前)

Ⅲ 関係づくりのための処方箋

 何よりもまず、良い関係を築くためには①不満や苦情に対応して適切な処理・解消を図ること、②動機の変化を察知してそれに適応すること、③深層の動機を探ってその動機にも対応することである。寄附の動機については、すでに第3回(本誌2017年6月1日号)と第4回(本誌2017年7月1日号)で詳しく説明しているが、ここでは、動機に応えてどのようにファンドレイジングをするべきかを考える。寄附する人を単に善行を行う人として「買いかぶらない」ことである。

1 寄附者満足

 寄附者満足とは、組織のミッションとそのための事業企画が達成されることへの期待や寄附者サービスへの期待と、現実に達成された成果や寄附者サービスの質評価の間の比較考
                           

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