【非営利組織のファンドレイジング戦略】第30回 ファンドレイジング戦略=特殊なマーケティング戦略(その3)
2019年09月24日
堀田和宏
(近畿大学名誉教授)
(承前)(近畿大学名誉教授)
Ⅲ 効率性基準でファンドレイジング投資を行わない
ファンドレイジングは経済学的にはある国や地域の文化と倫理の制約の中で許される限り、本質的には非営利組織における利益創出活動である。したがって、ファンドレイジング戦略が成功するポイントは純収入の最大化を目的とする営利組織の経営戦略に倣うことである。つまりファンドレイジングによる限界収入とファンドレイジングによる限界費用が等しい点が長期的にはファンドレイジング投資の有効な決定に至る最適点とする戦略である。ところが、ファンドレイジングの活動を評価するときに、一般社会でも組織自身でも「限界収入」にはあまり関心を示さないで「平均費用」の価値を重視する誤りを犯してきている。それはなぜなのか。以下のような理由
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