【論壇】公益法人制度改革期の博物館の掌編

川野祐二
(かわの・ゆうじ 下関市立大学教授)
トヨタ財団研究員、千里金蘭大学講師を経て現職へ。専門は非営利組織の経営。著書に『日本の科学技術-世紀転換期の社会史』『ボランティア・NPOの組織論』『NPOのマネジメント』など。産業技術資料保存調査会監事 ものづくり日本が誇る「国立産業技術史博物館」の存在を知る人は、ほとんどいない。なぜならそれはついに実現しなかった「幻の博物館」だからである。
 19世紀の明治日本は殖産興業を掲げて近代化に邁進した。爾来(じらい)150年、産業技術の興隆に国運をかける政策は一貫している。数多(あまた)の技術者がその才覚を、機械の開発改良に注ぎ込み、本邦における産業技術の石塁を遙か高くにまで積み上げた。ただ、技術者たちの意匠惨憺(たん)を詳(つまび)らかにするには、どうしても歴史博物館がなければならない。
                           

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