裁決事例から考察する税法上の共通費用の合理的な配賦基準

苅米 裕
(かりごめ・ゆたか 税理士)
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目  次

はじめに

 公益法人(認定法2 ①三)は、毎事業年度における公益目的事業比率が50%以上となるよう公益目的事業を行わなければならないとされており(認定法15)、当該要件の適合状況の確認等をするため、公益実施費用額、収益等実施費用額及び管理運営費用額を算定する(注1 )必要があり、各々の事業に係る事業費の額及び管理費の額に関連する費用額(以下「制度上の共通費用」という。)について、それぞれの事業等の区分に応じて配賦をすることが求められる。
 他方、法人税法は、公益法人等(法法2 ①六)又は人格のない社団等の各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得以外の所得について、各事業年度の所得に対する法人税を課さない(法法7 、以下「収益事業課税」という

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