実務担当者が知っておきたい裁決・判決に学ぶ租税実務[59]公益法人制度改革に伴い整備された寄附金税制

永島公孝
(税理士)

はじめに

 寄附財産の非課税要件について争われた裁判例をみる前に、寄附金税制をおさらいしましょう。
 寄附金税制は、寄附者を税の面で優遇することにより、公益社団法人、公益財団法人、非営利型の一般社団法人・一般財団法人等(以下、「公益法人等」という。)に寄附が集まりやすくする仕組みです。つまり、公益法人等に寄附をする者に対しての優遇措置です。
 公益法人等が、公益目的の事業を行うためには、活動資金が必要です。収益事業については、事業競合(イコール・フッティング)のため、課税の公平から公益法人も法人税の課税対象となりますが、公益法人等に対しては、各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得(現在は34の事業。法令5①)に
                           

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