年間スケジュールから解説する監事の役割
2020年12月21日

渋谷幸夫
(しぶや・ゆきお 全国公益法人協会特別顧問)
(しぶや・ゆきお 全国公益法人協会特別顧問)
法人事業の健全な運営と持続的な発展のためには、内部機関のガバナンス機能は必要不可欠であり、監事はその重要な役割を担っている。本稿では、新型コロナウイルス感染症等による緊急時の監査実施方法も含めて、期末と期中における監事監査の実務を解説する。
Ⅰ 監事の機関としての存在意義
一般法人法においては理事会の職務の1つとして、理事の職務の執行の監督があり、理事会において理事相互間の牽制が図られる仕組みが整備されている(法90条2項)。しかしながら、理事会による監督では、監督する者と監督される者が同じ立場にある理事同士であるため、職務の執行と監督の分離が曖昧となり、理事間で馴れ合いによる相互牽制が十分に働かず、理事による自己監督となるおそれがある。
そのため、実際の職務を執行する理事とは別に、専ら監査を行い、法人内の職務の適正性を確保する仕組みとして、監事による機関設計が図られている。
そこで本稿では、監事の役割について解説していく。
Ⅱ 監事の役割(職責)
監事の職務は、理事の職務の執行を監査することであり(法99条1項・197条)、各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにそれらの附属明細書の監査を行う機関として位置付けられている(法124条1項・199条)。監事は、上記目的のため、理事の不正行為等に関する理事(理事会設置一般社団法人、一般財団法人にあっては、理事会)への報告(法100条・197条)、理事会への出席及び意見陳述(法101条1項・197条)、理事提出議案等の調査及び社員総会・評議員会への報告(法102条・197条)、理事の目的範囲外行為等の差止め請求(法103条1項・197条)、法人と理事との間の訴えにおける法
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