【景気のゆくえ】製造業は回復を持続

林田元就
(電力中央研究所上席研究員)

 鉱工業指数は、国内事業所における鉱工業製品の生産・出荷・在庫の動向、製造設備の稼働状況などを示す統計である。その結果は、経済産業省から毎月、基準年(現在は2015年)を100とした指数により毎月公表されている。鉱工業の経済(GDP)に占めるシェアは2割ほどに過ぎないが、生産指数の動きは景気動向に敏感に反応するため、景気を分析する際に重要視される統計の1つである。
 図は、その生産指数と出荷指数の前期比伸び率の推移を示したものである。7月30日に公表された2021年6月の速報値によれば、4~6月の生産指数は前期比+1.0%と4四半期連続の上昇となった。新型コロナウイルスの感染拡大後(20年4~6月)に生じた大幅な落ち込みを概ね取り戻した状況であるが、1~3月の同+2.8%からは伸びが低
                           

この記事は有料会員限定です。

Copy Protected by Tech Tips's CopyProtect Wordpress Blogs.