【景気のゆくえ】広がる業種間の景況格差

山澤成康
(跡見学園女子大学教授)

 新型コロナウイルスの感染拡大は、好調な分野と不調な分野の格差を拡大させており、景気判断を難しくしている。
 2021年4-6月期の実質GDP(国内総生産)は、前期比0.3%増とわずかに増えた。1-3月期の落ち込み分(0.9%減)を取り返すことができず、低空飛行が続いている。直近で最も大きかった2019年7-9月期に比べて3.4%小さく、過去のGDPの水準に戻っていない。
 需要項目別にみると、消費の低迷と輸出の好調が浮かび上がる。2021年4-6月期の実質民間最終消費は、前期比0.8%増だった。2019年秋の消費税率引き上げ、新型コロナウイルスの感染拡大で消費は冷え込んでおり、2019年7-9月期に比べて5.4%小さい。一方、実質輸出は2020年4-6月期を底に増加が続いており
                           

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