どんな社会貢献事業も公益目的事業になる!?(公益認定法2条別表)
※本記事はYouTube動画より書き起こしたものです。一部読みやすいように加工してあります。
こんにちは、出口でございます。
本日は「公益目的事業とはなんぞや?」ということで公益認定法(2条関係)の別表についてお話をさせていただきたいと思います。
公益認定法では、「公益目的事業に相当する事業」が別表という形で限定列挙されております。ところが、およそ公益のための事業というものは、この別表の中にすべて含まれるように設計されています。
したがいまして、別表に該当するものがないから社会のための活動なのに公益認定されない――これが新たな都市伝説となっています。
しかし、そんなことは決してありません!
そのことを今日はお話したいと思います。
公益認定法の二条第二条四号には、公益目的事業とは「学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号に掲げる種類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう」と定義されております。
図の黄色の部分と青い部分をそれぞれA・Bとすると、AであってかつBであるということで公益目的事業を定義しております。
このうちAの部分についてはここで解説いたしますが、およそ公益と思われる事業についてはどこかに該当するように作られております。
また、Bの部分については、あらためて次回解説させていただききたいと思います。
それでは、第2条の別表を具体的に見てみますと、このように学術及び科学技術の振興を目的とする事業とかいったことが書いてあります。
したがって、皆さんが行いたいと思っている事業がこれに該当するというものがあるでしょうし、近いけれどもぴったりではないなというなところもあろうかと思います。
しかし、その懸念は無用です、大丈夫なのです。
どうしてかと言いますと、次の図の十四号があるからです。
これについては後で説明いたしますが、さらには二十三号には、「前各号に掲げるもののほか公益に関する事業として政令で定めるもの」と書かれています。
つまりは、この二十二までのところに入っていない事業は二十三のところであとあと政令で定められているのかな――そう思われる方も多くいらっしゃるかもしれません。しかし、そうではございません。
どうしてかと言いいますと、二十三号では「政令で定めるもの」とされていますが、実は政令が定められてはいないのです。
ですから、二十三号は実際には使えないのです。
どうして定めなかったかというと、実のところは該当しないものがないのではないかと考えられます。
と言いますのは、十四号には「男女共同参画社会の形成その他のより良い社会の形成の推進を目的とする事業」とありまして、法律の読み方として、「その他の」というふうに書いてある場合、その前に書かれてる部分は「例示」ということになります。
ですから、ここの部分を読み下すと、例えば、「男女共同参画社会の形成などのより良い社会の推進を目的とする事業」と考えていただいて結構です。
つまり大事なのは図の青い部分でして、この男女共同参画社会というのはその一例に過ぎないということです。
くどいようですが、およそ世のため人のための事業、公益の事業は、別表のいずれかに入ると考えられます。これは公開されている内閣府の公益認定等委員会の公開議事録に明確に示されています。
ところが、都市伝説というのはもっともっとあるんですね。例えば休眠預金活用という法律ができまして、これについての政府の審議会で現職の内閣府公益認定等委員会の委員がこの新しい法律で休眠預金を民間の公益活動に活用する、そういう事業をするというんですが、その際、全国で一つの要の法人ができます。指定活用団体と言いいますが、これについて、「認定法の2条4号の別表に休眠預金というものはないからこれは公益法人にはなれない」と発言して、議事録にも載っています。
「公益法人になれるために強いてあげるとしたら二十三号の政令で定めるものくらいしかない」というような驚きの、はっきりと間違った発言ですね。
こういった都市伝説のために、ある意味で、自分は公益活動をやろうと思っていたのに別表にぴったりするものがないと受け取られ、その結果、公益を目指そうという法人は気をそがれてしまう。そういうことが実際に起きています。
これはとんでもない話で、絶対にそんんなことはありません!
こんな都市伝説は打ち破り、ぜひとも公益認定をしていただきたい、私はそのように思っています。
立法の趣旨は公益の増進にあるからです。
以上です、ありがとうございました。