【景気のゆくえ】メインシナリオは、景気拡大

山澤成康
(跡見学園女子大学教授)

 内閣府が発表した2021年10月の景気動向指数の一致指数は、低下傾向から脱し、反転した。経済産業省が発表した同11月の鉱工業生産指数は、前期比7.2%上昇し、13年の基準改定以来最大の伸びとなった。自動車生産の急増が寄与した。日本経済は、緊急事態宣言が解除された2021年10月を境にひとまず拡大に転じた。
 今後の景気は新型コロナウイルスの感染拡大の状況によって変わる。オミクロン株による感染者の増加は避けられないだろう。しかし、経済に与える影響は以前より小さくなりそうだ。人々の感染防止対策への経験値が上がっていることが背景にある。新型コロナウイルスのワクチンや治療薬も開発が進んでいる。ワクチン接種が進むことで、重症化リスクは小さくなり、医療体制への制約も小さくなる。経済活動は次第に拡
                           

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