其之四 補助金

古市雄一朗
(大原大学院大学教授)

指定正味財産の増加として記録する

 皆さんご存じのとおり、以前に私は本連載の前シリーズとして「会計バカ一代」を本誌に連載していた。読み返してみると、前シリーズではとにかく自由に書きたいことを書いていたという一点に尽きる。前シリーズの反省を活かして、今シリーズでは簿記における仕訳をその軸に置き、特に公益法人会計固有の処理に意識を向けている。
 今回取り上げる補助金の受取についての仕訳もその 1 つであると言える。企業の活動においては補助金の受取は必ずしも頻繁に起こる取引ではないかもしれないが、公益法人においてはその活動の中でしばしば起こる取引である。
 上記取引例の原則的処理において示しているように、補助金の受取に関係する仕訳のポイントは、受領のタイミングでそれ
                           

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