ベネフィットコーポレーション制度と公益・一般法人への影響
2022年09月23日
出口正之
(でぐち・まさゆき 国立民族学博物館名誉教授)
(でぐち・まさゆき 国立民族学博物館名誉教授)
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目 次
Ⅰ 新しい資本主義とベネフィットコーポレーション
1 注目される社会的起業家
岸田内閣の目玉の一つとして「新しい資本主義」があり、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画~人・技術・スタートアップへの投資の実現~」(令和4年6月7日)(以下「実行計画」という)が閣議決定された。その中には「社会的課題の解決の担い手も、既存企業のみならず、スタートアップ、社会的起業家、大学やNPO等、多様化していくことが不可欠であり、民間が公的役割を担える社会を実現していく。特に、近年、子育て問題や環境問題等、社会的課題の解決を図る社会的起業家を目指す方が増加している。こうした社会的起業家の取組についても、新たな官民連携の形として全面的にサポートしていく。」(3頁)とされ、社会的起業家が注目されている。社会的起業家は新しい用語ではないが、近年、世界的にも注目されている。
さらに実行計画には、「欧米では、ベネフィットコーポレーション等の新たな法制度が整備されつつある。米国では、2010年から2017年までの間に7,704社のベネフィットコーポレーションが設立されており、全米に広く拡大した。ベネフィットコーポレーションへの投資額も、5年間で6倍に、 1件当たりの投資額も4倍に増加している。投資家も、インパクト投資家だけでなく、通常の利益追求型の投資家も投資を行っている。」とある(24頁)(注1)。
2 社会的ハイブリッド化とは
ここで注意を要するのは、歴史的・制度的文脈が切り離されている点である。ベネフィットコーポレーションという制度を日本で作った場合には、それがどういう効果をもたらせるのだろうか。例えば、公益法人制度の場合には税制上の優遇措置を与えるという効果とセットに月刊公益オンラインとは
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