不当寄附勧誘防止法と寄付金の実務
2023年07月14日

永島徳大
(ながしま・とくひろ 公認会計士・本誌編集委員)
(ながしま・とくひろ 公認会計士・本誌編集委員)
Ⅰ はじめに
令和 4 年12月、寄付の不当な勧誘による被害の救済、再発防止のため、寄付の適正化の仕組みを構築する「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律(以下、「不当寄附勧誘防止法」)」が成立し、令和 5 年 1月 5 日から施行されました。これは法律の名前の通り、法人等による寄付の不当な勧誘の防止を目的として、生活に必要なお金や借金をして寄付を実行する場合等、かなり偏った事例への対応を想定したものとなっています。 6 月22日付の朝日新聞の記事によると、消費者庁で 4 月以降に受け付けた情報件数は、計286件。このうち、同法違反が疑われる内容が含まれるケースは48件と掲載され、これから同法による実務への影響が懸念されるところです。今回はこちらの法律の概要に加え、現行の寄付金の税務実務に関して記載したいと思います。
Ⅱ 不当寄附勧誘防止法の概要
1 対象法人
この法律の対象となる法人等とは「法人又は法人でない社団若しくは財団で代表者若しくは管理人の定めがあるもの」のことを言います。宗教法人のみならず、幅広い法人や団体が対象となり、公益法人(公益社団法人、公益財団法人)、一般法人(一般社団法人、一般財団法人)も例外ではありません。この法律施行による法人側での影響といえば、仮に寄付を受領した場合、寄付者自身は納得の上で寄付をしたにもかかわらず、御家族の方がこの法律を盾に返金を要求してくるケースが想定されます。このような事態に対して、法人側がきちんと法律を理解しておくことが不可欠です。寄付の勧誘に当たり、「配慮義務」と、寄付の勧誘に際して寄付者を混乱させる不当な行為について示した「禁止規定」があります。
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