役員退職慰労金の手続と実務
―公益認定基準・会計税務の留意点―
2023年10月14日

船山 奨
(ふなやま・しょう 税理士)
(ふなやま・しょう 税理士)
- CATEGORY
- 会計実務・税務実務
- 対象法人格
- 公益法人
- 対象職位
- 管理職・職員
目 次
Ⅰ はじめに
「役員退職慰労金」は、退職する役員を慰労することを目的に支給される。金額の決定や支給手続には、公正を保ち法人の資産を守るためのプロセスが必要とされる。加えて、そのプロセスの中に役員自身が存在することもある。その場合、「どのような手順で取り決めたのか」という透明性や、「本当にふさわしい金額であるか」という妥当性について、周囲から疑念が噴出しないための配慮が必要である。
つまり一言で、「厳正であること」が重要なのである。
本稿では、認定法の基準などにより定められた手続で行われる、役員退職慰労金の支給手順、及び金額の公正さを担保するための制度を紹介する。それとともに会計の実務、及び経理に伴う認定法上の財務基準の実務、並びに税務の取扱いを紹介する。
Ⅱ 支給基準を明確にする手続
1 「不当に高額」であってはならない
認定法では、役員退職慰労金など役員報酬の支給について「公益法人の理事等の報酬等が、民間事業者の役員の報酬等や公益法人の経理の状況に照らし、不当に高額な場合には、法人の非営利性を潜脱するおそれがあり、適当ではありません。このため、理事等に対する報酬等が不当に高額なものとならないよう支給の基準を定めていることを公益認定の基準とした上(認定法第5条第13号)、当該支給基準は公表するとともに、その基準に従って報酬等を支給することを定めています(認定法第20条)。さらに、この支給基準は、理事等の勤務形態に応じた報酬等の区分、金額の算定方法、支給の方法等が明らかになるよう定める必要があります(認定法施行規則第3条)」としている。この中から役員退職慰労金に関係する部分から、実務を考える。
まず、「不当に高額
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