役員退職慰労金の手続と実務
―公益認定基準・会計税務の留意点―

船山 奨
(ふなやま・しょう 税理士)

Ⅰ はじめに

 「役員退職慰労金」は、退職する役員を慰労することを目的に支給される。
 金額の決定や支給手続には、公正を保ち法人の資産を守るためのプロセスが必要とされる。加えて、そのプロセスの中に役員自身が存在することもある。その場合、「どのような手順で取り決めたのか」という透明性や、「本当にふさわしい金額であるか」という妥当性について、周囲から疑念が噴出しないための配慮が必要である。
 つまり一言で、「厳正であること」が重要なのである。
 本稿では、認定法の基準などにより定められた手続で行われる、役員退職慰労金の支給手順、及び金額の公正さを担保するための制度を紹介する。それとともに会計の実務、及び経理に伴う認定法上の財務基準の実
                           

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