派遣職員の安全衛生―業務災害時の派遣先に求められる対応―
2023年10月14日

横山玲子
(よこやま・れいこ 社会保険労務士)
(よこやま・れいこ 社会保険労務士)
Ⅰ はじめに
人手不足や臨時的な業務のために労働者派遣制度を利用する、もしくは利用している法人もあるでしょう。派遣労働者を雇用する派遣元は、当然ながら労働基準法や労働安全衛生法(以下、安衛法)等が適用されますが、実際に業務の指揮命令を行う派遣労働者の受け入れ先(派遣先)も一部の法令が適用され、責任を負うこととされています。
今回は、派遣労働者の安全と健康等の労働環境を守るために、派遣元と派遣先それぞれの責任の所在及び連携して対応する事項を解説します。
また、労働災害発生時に派遣先が行う対応についても解説します。
派遣先でのハラスメントが原因の労災申請もあり得ますので、派遣先の役割を押さえておきましょう。
Ⅱ 派遣元と派遣先の役割分担
1 労働者派遣の基礎知識
派遣先として労働者派遣を利用するためには、派遣元と労働者派遣契約を結びます。この契約に基づき、派遣元は自社で雇用する労働者を、派遣先の指揮命令に基づき労働させることができます。派遣労働者の健康管理と安全衛生については、派遣元が健康診断を行うなどの責任を負いますが、実際に指揮命令を行い、就業する場所は派遣先になるため、安全管理(怪我から守るなど)全般と衛生管理(病気にならないなどの措置)の具体的な事項については、派遣先が責任を負います。
2 派遣元と派遣先の役割分担
派遣元と派遣先が責任を負う法令は、様々な事項がありますが、派遣労働者の安全と健康に関わる事項について【図表 1 】にまとめました。派遣元と派遣先がどのように連携するかも含めて、各項目を確認しましょう。【図表 1 :派
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