其之十四 債券の利息処理

公益法人会計仕訳一本勝負
古市雄一朗
(大原大学院大学教授)

額面価額と発行価額の差額

 以前に本コーナーで(第10回、 4 月15日号)、割引発行された満期保有目的債券の取扱いについて取り上げた。資産の長期的な運用のために利息の獲得を目的として社債や国債といった債券の購入が行われる場合、会計上、問題になるのはその債券の発行額と額面額(償還額)が異なる場合である。今回は差額によって生じる利息のマイナスについて解説する。
 この差額は多くの場合、金利の調整分と言えるので、差額を処理するためには償却原価法という会計処理を用いて、時間の経過に応じて利息を認識し、その分を債券の貸借対照表価額に反映させていくことになる。債券の発行額と額面額が異なる場合、理論的には発行額が額面額を下回る割引発行と、それとは逆に額面額が発行額を上回る打歩発
                           

この記事は有料会員限定です。

Copy Protected by Tech Tips's CopyProtect Wordpress Blogs.