其之十六 固定資産取得後の費用

公益法人会計仕訳一本勝負
古市雄一朗
(大原大学院大学教授)
 

固定資産にかかる費用の配分

 簿記・会計に初めて触れる時に感じる違和感の 1 つに、会計はお金の計算でありながら、必ずしも現金の増減を記録するわけでは無いという点があるかもしれない。
 公益法人の会計を含め、いわゆる発生主義会計と言われる会計の特徴は、現金の変動の有無に関わらず、収益・費用を認識することにある。
 そのため、建物に代表される固定資産を取得した場合に、その取得に要した費用は、購入のために支出を行ったタイミングではなく、その使用期間中に費用として配分されることになる。このように、収益に対応する形で費用を配分する企業会計においては期間損益の計算が行われる。
 一方、公益法人であれば、固定資産を使用したサービスの提供のタイミングに合わ
                           

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