其之一七 期末の棚卸し

古市雄一朗
(ふるいち・ゆういちろう 大原大学院大学教授)
 

棚卸しの意義

 本連載は 1 月が合併号でお休みとなり、この 2 月号の記事が2024年の初掲載ということになる。全国8,300万人の仕訳ファンの皆様、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 このように季節外れの書き出しになっているのも何を隠そう、この原稿は年の瀬、2023年の12月に執筆しているためである。年内の講義も終わり、誰もいない大学の中で編集者の催促におびえつつ、この原稿を執筆している。周りは、すっかり年末ムードになっており、年賀状やら大掃除やらの話題が飛び交っているが、大掃除と聞くとどうも私は棚卸資産の棚卸しを想起せずにはいられない。
 本来であれば、棚卸しと大掃除は全く関係のない話なのであるが、多くの人々が寒い倉庫に出入りをして倉庫

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