なぜ公益・一般法人がハッカーから狙われやすいのか

齊藤 睦
(さいとう・あつし 全国公益法人協会 IT研究員)

Ⅰ はじめに

 「公益法人」や「一般法人」といった言葉から、私たちは社会貢献活動や公共性の高い事業をイメージします。   しかし、多数の顧客の情報や事業上の有益な秘密を持つ民間企業だけでなく、こうした公益性の高いイメージの強い団体でも、サイバー攻撃の脅威にさらされているという現実があります。特に、資金や人材の制約がある小規模な公益・一般法人は、セキュリティ対 策が十分に行き届かず、ハッカー(「ハッカー」という言葉は本来「悪意」という意味を含みませんが、本記事では比較的よく用いられる「悪意を持った情報技術攻撃者」という意味で使用します。)の格好の標的になりがちです。   本記事では、公益・一般法人がなぜサイバー攻撃の標的になりやすいのか、その理由と具体
                           

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