公益充実資金の活用術
2025年07月31日

前田昂平
(まえだ・こうへい 公認会計士・税理士)
(まえだ・こうへい 公認会計士・税理士)
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目 次
Ⅰ 財務の自由度を上げる新制度
令和7年4月に施行された制度改正により、公益法人の資金運用において新たな選択肢として「公益充実資金」が創設されました。この制度では、これまで個別に運用されていた「特定費用準備資金」と「資産取得資金」が統合され、公益目的事業に必要な将来の支出に備えて計画的に積み立てることができるようになりました。また、公益充実資金は、公益目的事業の範囲内であれば使途の柔軟な変更が可能となり、財務運営における自由度が大きく向上しました。本記事では、この制度の概要や全体像をはじめ、積立目的・限度額の設定方法や、新しい公益法人会計基準における会計処理や開示に関する実務対応、さらに実際の積立額の設定事例を交えながら、公益充実資金を実務に取り入れる際の具体的なポイントや留意点をご紹介します。
Ⅱ 公益充実資金の基礎知識
1 公益充実資金の位置付けと統合の意義
令和7年4月1日から施行された新制度により、「公益充実資金」が新たに設けられました。公益充実資金とは、公益法人が将来の公益目的事業に備えて資金を計画的に蓄えるための制度です。この仕組みは、従来個別に扱われていた「特定費用準備資金」と「資産取得資金」を統合し、公益法人が中長期的な視点から、より柔軟に資金を活用できるようにすることを目的としています。積立段階では、従来制度と同様に中期的収支均衡の費用として算入することが可能である点も踏襲されています。
ただし、公益充実資金の積立は、あくまでも将来の特定の公益目的事業(公益目的事業の実施、または資産の取得・改良)に関する支出に充てることを目的としなければなりません。単なる備えや繰越金の積立では、制度上の要件を
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