一般法人における会計基準の選択
―令和6 年基準適用のメリットと課題―
2025年09月30日

金子良太
(かねこ・りょうた 早稲田大学大学院会計研究科教授・公認会計士)
(かねこ・りょうた 早稲田大学大学院会計研究科教授・公認会計士)
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- 会計実務
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- 一般法人
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- 管理職・職員
目 次
Ⅰ はじめに
2025年から新公益法人会計基準(以下、「新基準」)が、公益社団・財団法人には適用される。一般社団・財団法人(以下、「一般法人」)には、適用義務はない。一般法人が適用する会計基準については、一般に公正妥当と認められる会計の基準その他の会計の慣行によるとされ(法人法119条及び199条)、一般法人にはいくつかの選択肢がある。新基準は財務の透明性や説明責任の向上に寄与し、助成金申請や外部監査にも有効である。一方、新基準も注記作成等の実務負担や収益の期間対応の扱いには課題が残る。また、法人の状況により企業会計基準の適用も重要な選択肢となる。基準選択は会計にとどまらず、組織戦略や説明責任等に関わる重要課題である。本稿では新基準の意義、平成20年基準との比較、新基準適用のメリット・デメリット、今後の方向性を検討する。
Ⅱ 会計基準改正までの流れと主要な改正点
2025(令和7)年4月1日以降に開始する事業年度から、新基準の適用が開始され、公益法人制度改革とともに会計基準も刷新される。会計基準の変更は、公益法人制度改革への対応にとどまらない大きな変更となっている。公益法人及びその認定を申請・予定している一般法人には猶予期間があるものの、2028(令和10)年4月1日以降は新基準の適用が求められる。公益認定を志向せず、今後も一般法人として活動する団体には新基準の適用義務はない。一般法人の会計は、「その行う事業に応じて、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うもの」とされている(法人法119条及び199条)。「一般に公正妥当と認められる会計の基準その他の会計の慣行」とは、主に公益法人会計や企業会計が考えられる。
一般法人には新
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