公益制度改革の節目を迎えて
(たかつの・たけし 内閣府公益認定等委員会事務局長(公益法人行政担当室長))
4月から新しい公益信託制度が施行され、足掛け5年にわたる公益法人・公益信託の制度改革は、大きな節目を迎えた。
「新しい資本主義」の下で見直しの議論が始まった2022年初夏の時点で、ここまでの大規模な改革が実現することを、誰が予見しただろうか。この間、改革の方向性を定める集中的な議論や具体的な制度構築の膨大な作業に携わってこられた多くの有識者、職員、そしてこの改革を支持してくださった公益法人・公益信託の関係者の皆様全てに、改めて心から感謝申し上げたい。
公益法人については、新制度施行から1年が経過し、限られたデータではあるが、新規公益認定の増加、審査期間の短縮、届出化に伴う変更認定の減少など、改革の効果の片鱗を感じている。※
法人運営の現場では、外部理事・監事などの体制整備や、新たな財務規律・定期提出書類・会計基準への移行など、広範な改正事項への対応に負担をおかけしているが、できるだけ多くの法人に、財務規律の柔軟化、行政手続の簡素化といった新制度のメリットを活用していただきたい。法人の経営判断による柔軟な資金の活用や事業展開が進むことで公益活動が成長・発展し、制度改革の目的である「民間公益活動の活性化」につながっていくよう、内閣府としても引き続き、各種情報提供等のサポートに注力していきたい。
公益信託については、大正時代に制定された旧制度が抜本的に改正された。公益信託は、公益法人における理事会・社員総会・評議員会のような決まった運営の「型」がある訳ではなく、個別案件ごとにオーダーメイド可能な、非常に柔軟性の高い仕組みになっている。これをいかに使いこなしていくかが知恵の出しどころである。何よりも、現状、ほとんど知られていない「公益信託」の知名度を上げ、普及していく必要があり、様々な関係者の力をお借りしたい。旧制度の下での公益信託の減少傾向(2003年:572件→2024年:378件)を反転させ、できれば今後2~3年程度で過去のピークを上回ることを目指したい 。
改革の真価が問われるのはこれから。特に、内閣府及び都道府県の行政庁において、改革の精神を継承・発展させていくことが重要である。法人や関係者との対話を通じ、制度や運用の在り方を問い続け、不断の改善に取り組んでいきたい。
東京大学法学部卒。1994年旧総務庁入庁。総務省や内閣官房で、行政評価、行政改革等の業務に従事。2011~2014年に内閣府公益認定等委員会事務局で公益法人制度の移行と監督体制構築を担当。2023年同事務局参事官に復帰。同事務局次長を経て、2024年7月より現職(事務局長)。内閣府公益法人行政担当室長として令和6年制度改革を推進する。
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