事務所移転とバーチャル化の法的可能性―オフィスは本当に必要なのか?
2022年05月20日

梅本寛人
(うめもと・ひろと 弁護士)
(うめもと・ひろと 弁護士)
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目 次
はじめに
依然として収束しないコロナ禍において、公益法人・一般法人も事業の円滑な実施が困難となり、事業の縮小、場合によっては廃止を検討せざるを得ないこともあり得るものと思われる。さらに、固定費抑制等の見地から、事務局(主たる事務所)を都心から地方に移転することや、いわゆるバーチャルオフィスに置くことを検討している法人もあるものと思われる。本稿は、公益法人・一般法人が事務所(ここでは主に法人事務局として機能している法人の「主たる事務所」を想定している)を移転する場合の手続や法的留意点について概観するとともに、これを地方に移転する場合の留意点、そして、昨今増加している、いわゆるバーチャルオフィスに主たる事務所を置く場合の法的課題等について、検討を加えるものである。
Ⅰ 事務所移転の法的留意点
公益法人・一般法人の事務所を移転する手続における法的留意点としては、主に以下の点が挙げられる。1 定款変更の必要性の検討
2 登記の変更
3 (公益法人の場合)変更認定手続の必要性
1 定款変更の必要性の検討
⑴ 定款変更が必要となる場合
公益法人・一般法人が事務所(ここではその「主たる事務所」)を移転する場合、定款変更が必要か否かをまず検討することとなる。公益法人・一般法人の「主たる事務所の所在地」は、定款に必ず記載されており(一般法人法11条1項3号・153条1項3号)、主たる事務所を移転するとなると「主たる事務所の所在地」について規定している定款の該当条文を変更する必要が生じる。
もっとも、「主たる事務所の所在地」は、所在地の最小行政区画(市町村、東京都特別区)を規定すれば足り、所在地番まで規
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