第1回公益法人会計検定試験2級の出題分析
2019年02月14日
金子良太
(かねこ・りょうた 國學院大學教授)
(かねこ・りょうた 國學院大學教授)
はじめに
本稿では、本誌編集部の依頼により1 月26日に全国公益法人協会が開催した第1 回公益法人会計検定試験( 2 級)の問題について、解説することとする。問題及び解答は文章の終わりに示したので、適宜参照しながら読み進めていただきたい。また、本稿における記述は筆者の所属、当該試験委員会の見解とは一切関係ないことを予めお断りしておく。問題Ⅰのポイント
設問1 のポイント
問題は、正味財産の内訳に関するものである。指定正味財産と一般正味財産の区分に関する問題と、指定正味財産から一般正味財産への振替に関する問題とに大別される。指定正味財産と一般正味財産の区分は、平成16年の公益法人会計基準から導入されたものである。この考え方は、平成20年の公益法人会計基準でもほぼそのまま踏襲されている。公益法人会計基準第2 2 では、貸借対照表において「正味財産の部を指定正味財産及び一般正味財産に区分しなければならない」とされている。また、会計基準第3 2 において、正味財産増減計算書においても「一般正味財産増減の部及び指定正味財産増減の部に分かち」とされている。
正味財産の区分については、公益法人会計基準注解6 において「寄付によって受け入れた資産で、寄付者等の意思により当該資産の使途について制約が課されている場合には、当該受け入れた資産の額を、貸借対照表上、指定正味財産の区分に記載するものとする。また、当期中に当該寄付によって受け入れた資産の額は、正味財産増減計算書における指定正味財産増減の部に記載するものとする。」とされている。寄付によって財産を受け入れたことによる正味財産の増加は指定正味財産の増加となり、それ以外の正味財産の増加は一般正味財産の
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