収益事業に対する法人税法上の取扱いと考え方
2018年08月30日
豊憲一郎
(とよ・けんいちろう 公認会計士・税理士)
(とよ・けんいちろう 公認会計士・税理士)
- CATEGORY
- 税務・収益事業・法人税基本通達
- 対 象
- 公益法人・一般法人
目 次
- はじめに
- Ⅰ 公益目的事業と収益事業の区別
- 1 定款記載の収益事業
- 2 法人税法上の収益事業
- 3 公益認定法における公益目的事業
- Ⅱ 収益事業に対する法人税法上の取扱いと考え方
- 1 区分経理に関する法人税法上の原則の確認
- 2 収益事業に専属する借入金等の利子の取扱い
- 3 固定資産の区分経理の取扱い
- 4 収益事業に付随して行われる行為(付随行為)の取扱い
- 5 収益事業に属する固定資産の処分損益の取扱い
はじめに
本稿は、本誌№928号(2016年11月1日号)の拙稿「新規事業の事業計画・予算立案に必要な考え方と具体的手順」の続編として企画されたものである。前稿では、事業計画で定めた様々な前提条件に妥当性があるかどうか、計画が本当に実現可能かどうか、費用対効果はどうかといった事柄を事前に確認し検証するフィージビリティ・スタディの重要性について論じた。この策定した事業計画を予算という数値に置き直し分析するという厄介な作業において、例えば、長年保有する土地を譲渡して新規事業の資金の調達を考える場合、譲渡益に対して課税されるか否かは重大な問題である。あるいは、新規に取り組もうとする事業が法人税法上の収益事業に該当するとして課税されるか否かも、フィージビリティ・スタディ(事業の実現・実効可能性の検証)における重要な検討課題である。
そこで本稿では、公益・一般法人がこれから取り組もうとする収益事業に対する法人税法上の取扱いと、その考え方について確認していくこととする。
なお、本稿第Ⅱ章で採り上げる収益事業の取扱いは、公益認定法による認定を受けていない、すなわち非課税扱いとされていない事業に限定したものである。
Ⅰ 公益目的事業と収益事業の区別
公益目的事業と収益事業の区別に関して、まず押さえておきたいのは、公益法人等が営む収益事業という場合、次の2つの意味で用いられているということである。ひとつは、法人が定款において必ず記載しなければならない必要的記載事項としての収益事業であり、もうひとつは、法人税法上の課税対象事業としての収益事業である。1 定款記載の収益事業
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