第32回
【Q76】理事の監視義務とは
【Q77】辞任登記をしないまま残存させていた理事の責任
2018年08月21日
渋谷幸夫
(しぶや・ゆきお 全国公益法人協会特別顧問)
A76(しぶや・ゆきお 全国公益法人協会特別顧問)
1 理事の監視義務の意義
理事会設置一般社団法人・一般財団法人においては、理事会が理事の職務の執行を監督する職責を負うため(法90条2 項2 号・197条)、理事会の構成員である各理事には、理事会を通じて各理事の職務の執行を監視する義務があると解されています。なお、この監視義務には、代表理事(会長・理事長)の職務の執行に対する監視義務も含まれます(最高裁昭和48年5 月22日参照)。
2 監視対象となる不正行為
⑴ 具体的な法令違反行為 理事の不正行為としては、一般的には背任・横領・情報漏えい、一般法人法等違反その他具体的な法令に違反する行為が挙げられます。理事の具体的な法令違反行為については、その行為を認識しさえすれば、当該
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