役員賠償責任保険が必要な法人・不要な法人
2024年02月14日

梅本寛人
(うめもと・ひろと 弁護士)
(うめもと・ひろと 弁護士)
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- 法務
- 対象法人格
- 公益法人・一般法人
- 対象職位
- 管理職・職員
目 次
Ⅰ はじめに
先般の令和元年法人法改正により、役員賠償責任保険を導入する際の手続が明確化され(法人法118条の 3 、198条の 2 )、役員賠償責任保険を導入する法人も増えてきているように思われます。本稿は、そもそも役員が賠償責任を負うのはどのような場合なのかという点を改めて確認するとともに、役員賠償責任保険に加入することのメリットとデメリットについて解説します。
そして、役員賠償責任保険が必要な法人と不要な法人とはそれぞれどのような法人であるのかという点につき、検討をしてみたいと思います。
Ⅱ 「役員の責任」とは何か
公益・一般法人のガバナンスを実現するため、法人の役員(ここでいう「役員」とは、具体的には、理事、監事、会計監査人であり、財団法人の評議員も含みます。)は、法人に対して、種々の法的義務を負っています。その中でも中心となる義務は「善管注意義務」です(法人法64条、172条 1 項、民法644条)。1 善管注意義務
善管注意義務とは「善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務」であり、具体的には、役員は、社会通念上、法人の役員として一般的に期待されるのと同程度の注意をもってその職務を行う義務を負っています。なお、他の法的義務としては、次のように様々なものがあります。▶︎理事の忠実義務(法人法83条、197条)▶︎理事の競業取引規制(法人法84条 1 項1 号、92条 1 項、197条)▶︎理事の利益相反取引規制(法人法84条1 項 2 号、92条 1 項、197条)▶︎理事の報告・説明義務(法人法91条 2項本文・197条、法人法53条本文、190条本文等)等もっとも、役員にこれらの法的義務
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