賃金未払い残業と労働時間の適正把握

川島孝一
(かわしま・こういち 社会保険労務士)
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目  次
 

Ⅰ はじめに

 近年、働き方の多様化が進み、労働時間に該当するかどうかが曖昧なケースが増えています。また、「過重労働」を防止する観点からも、労働基準監督署では調査の際に、労働時間を重点的にチェックする傾向にあります。
 従来の労働時間の管理方法や計算方法を踏襲したままにしておくことにより、労働基準監督署から思わぬ「賃金未払い」の指摘を受けるケースもあります。仮にこのような事態が発生すると、法人が意図したものでなくとも、職員の不信感を買ってしまう可能性もあります。
 法人が労働時間を把握することは、2019年4月より法的義務になっています。厚生労働省が策定した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
                           

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