公益・一般法人オンライン

宮本剛志
（みやもと・つよし　メンタル・リンク代表取締役社長・公認心理師・シニア産業カウンセラー） 第1回ではF社の報告書から浮かび上がったハラスメントの芽を抽出し、公益法人・一般法人でも起こり得るケースに落とし込むことで、身近に潜むハラスメントリスクをご紹介いたしました。今回は、ハラスメントの芽を摘むための防止策を紹介します。 

「コンプライアンス＝法人理念・社会的意義」と捉え直す

　コンプライアンスとは、一般的に法令遵守と言われます。しかし、今の時代それでは不十分です。そもそもコンプライアンスとは英語で「従うこと」という意味です。
　換言すれば、法令だけに従えば良いというわけではないのです。法人におけるコンプライアンスは以下の3 つのステップで意識する必要があります。ステップ1 ：法令順守
ステップ2 ：法人内規程
ステップ3 ：法人理念・社会的意義
　セクハラ・パワハラ・マタハラ等は法的根拠があるため、ステップ1 の話にすぎません。ステップ1 だけを守っても良い職場にはなりません。法人が目指すべきコンプライアンスは