寄附は心の投票インパクトのある公益活動こそ寄附の源

出口正之
(でぐち・まさゆき 国立民族学博物館教授)
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    • 法人運営
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    • 公益法人・一般法人
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    • 管理職・職員
目  次

民間公益活動が寄附を受けることは、単に財政面を支える資金になるだけではなく、活動の質を社会へ知らしめる大切な「インパクト」にもなる。

Ⅰ スポーツ団体から学ぶ

公益法人制度改革も施行から早いもので7年目に入っています。この間、非常に残念だったのは、スポーツ団体を襲った「補助金不正」問題です。補助金適正化法に係る補助金の取扱いで問題とされたのは、公益財団法人日本オリンピック委員会(以下「JOC」という。)でした。問題の対象となった事業はいくつかあるのですが、ここではあくまで寄附を考えるうえでの例示として、国庫補助金を原資とする専任コーチ等設置事業を考えてみたいと思います。
JOCが委嘱した専任コーチ等への謝金は、その3分の2は国庫補助を原資とし、3分の1は専任コーチ等が従事する競技団体からJOCへの負担金が原資とされていますが、これを定めているのはJOC専任コーチ規則です。検討対象期間に、JOCが国庫補助を受けて専任コーチ等を設置した競技団体は、全加盟団体58団体中35団体です。このスキームを利用した35団体のうち14団体が当該コーチから競技団体への寄附が行われていたことが判明しています。
ここではこの問題の責任等を再考するつもりはありませんが、財政的に余裕のないスポーツ団体が「3分の1は競技団体からの負担金」を当該のコーチの給与を原資としたことは負担を回避させる目的(「負担回避目的」)だと指摘されています。確かに「負担回避目的」と言われても仕方ないですし、それが規則に抵触するのですから、指摘はごもっともと言うしかありません。しかし、それではなぜ競技団体に一部を負担をさせなければならないのか、という点はどう考えたらよいでしょうか。実はこの点が明確ではありません。もともと競技団体を支援していく制度な

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