【景気短評】雇用動向と景気

門多 治
(慶應義塾大学理工学部非常勤講師)

 直近の労働統計速報で、常用雇用の伸びが定着してきている。また、建設土木、介護などの業種では恒常的な人手不足が伝えられている。今回は雇用改善の背景と、今後について考えてみよう。
 雇用者数は2013年以降、景気拡大を受けて増加を続けており、14年春にはリーマン危機直前の水準を超え、その後も増勢にある。増加はパート労働者を中心とするものであったが、13年秋以降、一般(フルタイム)労働者が増勢に転じ、その後もフルタイム雇用の増加が続いている。15年2月には、一般労働者の常用雇用は前年水準を1.3%上回り、常用パートの3%以上の増加には及ばないが、安定的な増加を続けている。
 労働需給全体をみても、3月公表の労働経済動向調査(15年2月)では、労働者過不足DIは正社員で31(不足-過剰
                           

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