【景気短評】ASEAN経済共同体への期待

山澤成康
(跡見学園女子大学教授)

 景気は消費税増税後の落込みから回復に向かっているが、その歩みは遅い。消費の実態を総合的に把握するために開発された内閣府の消費総合指数は、2015年2月まで2ヵ月連続で前月に比べて減少した。4月の国内新車販売台数は、前年同月比7.5%減少した。軽自動車への増税の影響もあるが、消費の低調さを端的に表している。日経平均株価は2万円を超えたがその後は伸び悩んでおり、資産効果による消費増も期待できない。
 民間設備投資は横ばい、公共投資は減少傾向で内需の盛り上りは期待しにくい。日本銀行が追加の緩和策を採る可能性もあるが、これまで以上の効果は期待しにくい。期待できるのは外需、特に東南アジア諸国連合(ASEAN)向けの輸出である。2010年頃まではASEAN4と呼ばれるマレーシア、タイ、フィリピン
                           

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