【公益法人・一般法人運営実務110番】第4回

渋谷幸夫
(全国公益法人協会特別顧問)
A7

1 除名の意義

 除名は、法定退社の1 つであり(法29条4号)、ある社員(会員、以下「社員」という。)について、法人に対する重要な義務違反がある場合に、その社員から社員としての資格をその意思に反して剥奪するものであり、法人の社員に対する最も重い制裁です。
 改正前民法34条に基づく公益法人制度(社団法人)の下においては、社員の除名について全く規定を設けていませんでした。一般的には、定款において除名に関する規定を定め、殊に除名権限を有する機関、除名手続、理由に関する詳細な規定を設けて、除名処分を行っていたのが実態であったと考えられます。
 公益(一般)社団法人は人的集合体であり、社員間の信頼関係が重要視されることから、その人的信頼関係を損なうような社員について
                           

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