【金子教授の身に憑く怪計講座】第4夜 指定に宿る寄付者の魂!?
2019年06月28日
金子良太
(國學院大學経済学部教授)
(國學院大學経済学部教授)
正味財産に寄付者を感じる?
第3夜では、貸借対照表の資産や負債を中心に述べてきた。今回は、正味財産の部を中心に進めていきたい。正味財産は、資産から負債を差し引いて求めることができるが、だからといって単なる差額ではない。
正味財産は、公益法人では指定正味財産と一般正味財産とに区分される。区分の基準は、「寄付者等による使途の指定があるか否か」である。
寄付をしてくれた人が、例えば「この寄付は○○周年記念事業のために使ってください」「奨学金事業の財源にしてください」「この建物は○○美術館として利用してください」などの使途を指定すると、この金額は指定正味財産になる。
指定正味財産にならない部分が、一般正味財産である。反対給付の伴わない寄付金、補助金、助成金
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