【解説】「がん」からの職場復帰を応援する環境づくりのポイント―法人における治療と職業生活の両立支援を考える―
2018年11月01日
森垣佳子
（もりがき・けいこ 特定社会保険労務士）
（もりがき・けいこ 特定社会保険労務士）
- CATEGORY
- 労務、就業規則、職場復帰
- 対 象
- 公益法人・一般法人
目 次
- 「先生！ どうしましょう？」
- 両立支援実施前の環境整備
- • 両立支援の宣言をし、環境を整える
- • 選択できる制度を作る
- • 職員のサポート体制を準備する
- • 法人のサポート先を確保する
- • 制度の周知を行う
- 両立支援実施の手順
- • 療養生活に入る際に両立支援制度等について説明を行うる
- • 適用する制度と適用期間を通知する
- • 復職に当たって職員本人の希望を聞く
- • 主治医から助言を受ける
- • 職員の家族とコミュニケーションを図る
- • 周囲への配慮を忘れない
- 具体的な制度について
- • 時差出勤
- • 短時間勤務
- • 在宅勤務
- • 有給休暇の時間単位取得
- • 未消化で消滅した年次有給休暇の傷病休暇での復活
- • 配置転換
- • パートなど他の労働契約への変更
- • 職場環境の見直し
- • 通勤方法の見直し
- 実際の対応手順
- 就業規則の見直しのポイント
- 両立支援の心構え
- 「がん」は誰にも訪れる
先生！ どうしましょう？
平成29年初めてのご相談は、ある法人の担当者からの悲痛な電話から始まりました。40歳の将来を期待されている中間管理職が、受診先の病院で「がん」の疑いがあると診断され、即日入院したとのことでした。（筆 者）ご本人はどのように言ってこられたのですか？（担当者）「がん」かもしれないって言っています。（筆 者）今のお仕事については何か話はありましたか。（担当者）お仕事!? 「がん」なんですよ！「が・ん」！彼には期待していたのに……。（筆 者）ご本人は今後の治療（計画）について何か話されていましたか。（担当者）いいえ。（筆 者）では、お二人で話された内容を詳しくお聞かせください。（担当者）体調不良で病院に行ったら『がん』の可能性があこの記事は有料会員限定です。
